溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「なんで今日はそんな格好してるの?」
「一応客先に行くと決まっていたので、パリッとした雰囲気にしたくて……」
「いいと思うよ。すごく綺麗」

 にっこりと微笑んでみせると、嬉しそうにしてくれた。
 きっとそうやって、無意識に周りの男の視線を引き寄せてるんだろうな。

 花澄がうちの社員じゃなくてよかった。
 もしうちにいたら、仕事どころじゃない。現に、今だって何とか仕事を再開させているわけで。


「俺にしてみれば、我慢を強いられるような格好だよ」

 ボソッと呟くも、彼女はソファに座って傍らの経済誌を手にしている。

 他の男にもその笑顔を向けてると思うと、独占欲がこみ上げてきた。
 彼女が何をしたというわけでもないのに、他の男には絶対に奪われまいと必死になってしまう。


 いつからこんな余裕のない男になったんだろう。

 何事にも動じないように見せていても、心の中は嫉妬や独占欲が渦巻くようになるなんて思いもしなかったな。


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