溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「ごめん、お待たせ」

 十九時前にキリのいいところで作業をやめ、PCの電源を落とした。


「もう大丈夫ですか?」
「うん、滞りなく終わらせたよ。後の細かいところは明日でもいい」

 ソファで大人しくしていた彼女の元に向かい、隣に座って話す。

 知り合って四か月ほど。
 俺の彼女になって、一ヶ月。

 まだまだ教えてあげなくちゃいけないことがある。


「何をそんなに真剣に読んでたの?」
「海都さんが載ってる経済誌です。旅行業界のことも載ってたので、ページが進んじゃいました」
「そう」

 数ページ戻して、俺が掲載されているインタビュー記事をもう一度開いた彼女は、なんともうっとりした横顔を見せている。


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