溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「大した話はしなかったはずだよ。社の近況と業界の今後とか、そういう堅苦しいことばっか」
「でも、すごいです。海都さんのひと言で業界は動くって見出しまで」
「それは大げさにされただけ。そこまでの影響力はないと思うし、まだまだ」
ブライダル業界ではトップだけど、レストラン業界やドレスなどの服飾業界ではまだ納得のいく業績は出せていない。
社をもっと大きくして、お客が望む全てのサービスを提供できないと……。
花澄がいつまでも雑誌を眺めている。
三ページほどのインタビュー記事と掲載された俺を見て、頬を緩めっぱなしにしていて。
「ねぇ」
強引に彼女の顎に指をかけて、自分の方へと顔の向きを合わせた。
「目の前に本物がいるのに、なんでそっちばっか見てるの?」
「海都さんが載ってるの、初めて見たから……」
俺の様子に気づいたのか、花澄はまた頬を染めながら視線を泳がせた。