溺愛CEOといきなり新婚生活!?

 あちこちにキスをして、やわらかさを手のひらで歪ませて、上ずった声を漏らす彼女を眺める。
 趣味が悪いって言われるかもしれないけど、俺なりにかわいがって育てて……愛を注ぎたい。


「……ダメっ……海都さんっ……」

 まだ触れているだけなのに、いやらしく悶える花澄に本題を切り出す。


「ねぇ、ワガママ聞いて?」
「うん、聞くからっ……」

 キスの嵐と触れ続けていた手を止め、真剣な瞳で彼女を見下ろした。


「明後日、籍入れない?」

 突然の申し出に、彼女はとても驚いて顔をしている。
 プロポーズはしたものの、現実的にはまだ先のことだと思っていたんだろうな。


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