溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「俺が経営してるのは、レストランや結婚式場だけじゃない。ウェディングドレス店やそのウェブサイト、それから結婚情報誌の出版社。他にもあるけど、そのうちのひとつがサンプリングマリッジを企画した結婚相談所なんだよ」

 雅哉さんは知っているのだろうか。永井さんが相手だと言った時に気づいていそうなものなのに。
 もしかしたら、永井さんは雅哉さんと知り合いだったりして……。


「今日、ネットでサンプリングマリッジの広告を見たんですけど、永井さんも携わられたんですか?」
「出来上がりを見ただけで、その辺は社員を信用してるから任せてる」
「そうですか……」

 雅哉さんと知り合いじゃなさそうで、少しだけ安堵する。
 永井さんと彼がどんな関係でもいいと思えていたのは、数分前まで。


「それにしても、本当に上遠野さんの彼はどうしてこの企画に彼女を出してきたのか……」
「同棲するためです」
「俺が彼氏だったら、他の男と住んで染められた女より、俺と過ごす時間しか知らない女の方がグッとくるけどね」


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