溺愛CEOといきなり新婚生活!?

 待っててと言われたら何か用があるのかもしれないと思って、待ってしまう。
 ダブルベッドにそのまま仰向けになって、天井をぼーっと見つめる。視界にある壁時計はもうすぐ二十二時。雅哉さんから連絡があるとしたら、そろそろだと思うんだけどなぁ。


 十五分ほどするとドアをノックする音がして、返事をするとゆっくりと開けて永井さんが顔をのぞかせた。


「よかった、起きててくれた」

 湯上がりの彼はグレーのTシャツに白いハーフパンツを穿いて、とてもカジュアルな雰囲気に変わっている。セットしていた髪も洗いざらしで、前髪を掻き上げた仕草に少しだけドキッとしてしまった。


「……どうしたんですか?」
「日記のアプリ、どれかわからないと思って」

 そっか、そういうこと……。
 今日の流れで部屋に来てまで待っているように言われたからか、妙に構えてしまっていた自分に気づかされた。

 永井さんは右手に携帯を持ち、器用に片手で操作する。大きな手とそれに釣り合う長い指を持っているからできるのだろう。
 私は左手に携帯を持ち、右手の人差し指で言われたとおり検索をして、アプリをダウンロードした。


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