溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「予定、あった?」
「ないですけど……永井さん、どうされたんですか?」
「よかったら一緒に食事でもと思って」

 走り出した車の中はとても広く、永井さんの長い脚も余裕で収まっている。
 初めて見たスーツ姿の永井さんは絵になるほど格好いい。ピンストライプのスーツとクレリックシャツが爽やかで、この季節によく合っている。


「和食と中華なら、どっちの気分?」
「うーん……和食です」
「和食ね。……九条、例の店へ」
「かしこまりました」

 運転席でハンドルを握る九条さんは、ウインカーを出して右折レーンに入った。
 例の店で通じるほど、永井さんが行きつけにしている店なんて、どれだけ高級だろうかと不安になってしまう。それなりにおしゃれはしているつもりだけど、彼に恥をかかせてしまうのでは……。


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