溺愛CEOといきなり新婚生活!?
私のヤキモチを、彼は無駄だと言う。付き合い始めた頃からずっとそうだ。
雅哉さんは「俺を信じてついてきてくれたら、そんな疑念や嫉妬なんて生まれない」と言うけれど、他の女性と一緒にいて妬かずにいられるなら、私だってそうしたい。
「雅哉さんが好きで好きで仕方ないんです。だから、妬いちゃって……」
「……ありがとう。花澄がそんなハッキリ物を言うなんて珍しいな」
確かにサンプリングマリッジをするまでは、もう少し物静かだったはず。
だけど、今日は言いたいことを言わなくちゃいけないと思ってきているのだと思い直す。
「花澄がそんなに俺を想ってくれているなんて、実感がなかったのかもしれない」
雅哉さんの黒い瞳に、夜景が映ってとても綺麗だと思った。
だけど、私がこんなに想っているのが伝わっていなかったと言われて、この二年はなんだったのかと寂しくなる。
「ごめん。俺も、仕事を優先してばかりで花澄をないがしろにしてるところがあったと思って……だけど、こんなかわいくていい女を手放せるほど、俺はできた男じゃない」