溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「昨日、楽しかった?」
「はい」
「ははっ、即答かぁ」
苦笑いする永井さんはスーツ姿で凛々しいのに、表情だけは目尻が下がってとてもやわらかい。
雅哉さんと愛し合っていた時間も、言いたいことを少し話して解決できたことも……サプライズプレゼントのネックレスも、どれもが私の想いを形作っているのに、今の私を甘やかす永井さんの視線に晒されると、まっすぐ視線を合わせることすら勇気が要るのだ。
「おっと……大丈夫?」
「ご、ごめんなさいっ!!」
他人ではない距離で見惚れていたら体勢を崩してしまって、思わず彼の首に両手を回してしまった。
「――失礼いたします。……コホン」
タイミング悪く入ってきた九条さんは、ティーポットを載せた銀盆を応接のテーブルに置くと、何も言わずに咳払いだけして下がってしまった。