溺愛CEOといきなり新婚生活!?
自室の壁時計は二十二時を少し過ぎた頃だ。
品川のホテルで雅哉さんと愛し合った時間から二十四時間も経っていないことに気づくと、随分前のことのように思い出しているのが不思議に感じた。
それほどに、雅哉さんの温もりが愛しいのだと思う。
一日たりとも本当は離れたくない。
帰るところがそれぞれにあるから、今はこんなふうに思い出してしまうけれど、いつか一緒に住むようになれば、こうして思い出している時間を懐かしく思うはず。
永井さんがシャワーから出て、リビングに戻ってきた。
どうして彼は私を好いてくれるのだろう。
雅哉さんと面識があるのに、奪うなんて言えるのはなぜ?
生活を共にするようになっておよそ半月。
残りの二ヶ月半で、永井さんと私は関係を変えるのだろうか。