寵姫志願!? ワケあって腹黒皇子に買われたら、溺愛されました
翌朝。リディアは褐色の肌をした異国人の男と睨み合っていた。奴隷商人のナキである。
(大きな体に見慣れない肌の色だわ。どこの国の人なのかしら?)
ひげ面で片目がつぶれている彼の年齢はよくわからないが、精悍な顔立ちでなかなかの男前だ。金茶色の瞳もこのあたりでは珍しく、印象的だった。
リディアの故国ラビはローザン帝国の属国である。数十年前までは独立国だったが、その頃に急速に力をつけたローザンに併合された。ローザンは大陸の半分以上を占める広大な領土を持ち、周辺国家を属国として従わせている。
ナキのような奴隷商人は貧しい属国から年頃の少女を買い、ローザンの娼館やらに売り払うのを生業としている。
ナキは自分のひげをなでながら、リディアの全身を文字通り値踏みするように眺めた。
「まぁ、お前も悪くはないが……ローザンでは金髪碧眼は需要があるし。けどな、お前の姉の美貌はこの辺りの地域では広く知られていてなぁ。だからこその破格の値段提示だったんだ。それに、お前はちょいと胸もとが寂しすぎるな」
キのぶしつけな視線を受けて、リディアは自分の胸もとを確認する。たしかにマイアと比べると貧相そのものだ。だけど、そんなことであきらめるわけにはいかない。
(大きな体に見慣れない肌の色だわ。どこの国の人なのかしら?)
ひげ面で片目がつぶれている彼の年齢はよくわからないが、精悍な顔立ちでなかなかの男前だ。金茶色の瞳もこのあたりでは珍しく、印象的だった。
リディアの故国ラビはローザン帝国の属国である。数十年前までは独立国だったが、その頃に急速に力をつけたローザンに併合された。ローザンは大陸の半分以上を占める広大な領土を持ち、周辺国家を属国として従わせている。
ナキのような奴隷商人は貧しい属国から年頃の少女を買い、ローザンの娼館やらに売り払うのを生業としている。
ナキは自分のひげをなでながら、リディアの全身を文字通り値踏みするように眺めた。
「まぁ、お前も悪くはないが……ローザンでは金髪碧眼は需要があるし。けどな、お前の姉の美貌はこの辺りの地域では広く知られていてなぁ。だからこその破格の値段提示だったんだ。それに、お前はちょいと胸もとが寂しすぎるな」
キのぶしつけな視線を受けて、リディアは自分の胸もとを確認する。たしかにマイアと比べると貧相そのものだ。だけど、そんなことであきらめるわけにはいかない。