寵姫志願!? ワケあって腹黒皇子に買われたら、溺愛されました
「まぁ、うらやましい! けど、奴隷がどうやって皇帝に会うのよ?」
「帝都に住む貴族や高位の軍人の家の使用人になれば、皇宮の侍女として差し出されるケースもあるみたいよ。さしずめ皇帝への貢物ってところだから、よっぽどの美女じゃなきゃ無理でしょうけど」
(……皇帝陛下の寵姫! これだ! 家族どころか村のみんなに一生分の小麦を送ってあげられるじゃない)
リディアは自分の目指すべき道を見つけたような気がした。
「ねぇ、あなた名前は? 私はリディアよ」
「私はイザベラ。エスパーニャの出身よ」
エスパーニャがラビと同じような属国なのかローザンの一地方なのか、リディアにはわからなかったが……。
「ありがとう、イザベラ。とってもいいことを聞いたわ。目標が決まった! 私、皇帝陛下の寵姫を目指すわ」
高らかに宣言するリディアの前で、イザベラはパチパチと大きな目を瞬かせた。そして声をあげて笑いだした。
「あははっ。おもしろい子ね。実際には奴隷が皇帝の寵姫になるなんて、森の中に隠した一本の木を探し出すくらい大変なことよ」
「わかってるけど、どうにか探し出して手に入れるのよ」
「帝都に住む貴族や高位の軍人の家の使用人になれば、皇宮の侍女として差し出されるケースもあるみたいよ。さしずめ皇帝への貢物ってところだから、よっぽどの美女じゃなきゃ無理でしょうけど」
(……皇帝陛下の寵姫! これだ! 家族どころか村のみんなに一生分の小麦を送ってあげられるじゃない)
リディアは自分の目指すべき道を見つけたような気がした。
「ねぇ、あなた名前は? 私はリディアよ」
「私はイザベラ。エスパーニャの出身よ」
エスパーニャがラビと同じような属国なのかローザンの一地方なのか、リディアにはわからなかったが……。
「ありがとう、イザベラ。とってもいいことを聞いたわ。目標が決まった! 私、皇帝陛下の寵姫を目指すわ」
高らかに宣言するリディアの前で、イザベラはパチパチと大きな目を瞬かせた。そして声をあげて笑いだした。
「あははっ。おもしろい子ね。実際には奴隷が皇帝の寵姫になるなんて、森の中に隠した一本の木を探し出すくらい大変なことよ」
「わかってるけど、どうにか探し出して手に入れるのよ」