寵姫志願!? ワケあって腹黒皇子に買われたら、溺愛されました
「それにね、マイアに振られたあてつけに私と結婚したって、マイアはヤキモチなんて焼かないわよ。だってマイアはガロンにベタ惚れだもの」
カイネは幼い頃、マイアをいじめていたくせに、彼女が村一番の美女に成長した途端、ころっと態度を変えてマイアを口説くようになったのだ。
しかし、マイアは幼なじみの優しい青年ガロンと相思相愛で、つい先日婚約を交わしたばかりだ。そう美形でも金持ちでもないガロンに負けたことに、カイネは納得いかないようなのだ。
「うるさいっ! 姉妹揃ってコケにしやがって」
いかにも金持ちの馬鹿息子といった台詞を吐きながら、カイネはリディアにのしかかろうとした。
(殴られるっ)
咄嗟に歯を食いしばり痛みに耐える準備をしたリディアだったが、ベストタイミングで助けが入った。
「お、おいっ。カイネ、なにしてるんだ!? 妙なことしたら、バロック先生を呼んでくるぞ」
同じく畑からの帰り道なのであろうルークがうしろから走ってきてくれたのだ。バロック先生というひと言がきいたのか、それとももともと本気でなにかをする気はなかったのか、カイネはちっと舌打ちすると、すごすごと逃げていった。
カイネは幼い頃、マイアをいじめていたくせに、彼女が村一番の美女に成長した途端、ころっと態度を変えてマイアを口説くようになったのだ。
しかし、マイアは幼なじみの優しい青年ガロンと相思相愛で、つい先日婚約を交わしたばかりだ。そう美形でも金持ちでもないガロンに負けたことに、カイネは納得いかないようなのだ。
「うるさいっ! 姉妹揃ってコケにしやがって」
いかにも金持ちの馬鹿息子といった台詞を吐きながら、カイネはリディアにのしかかろうとした。
(殴られるっ)
咄嗟に歯を食いしばり痛みに耐える準備をしたリディアだったが、ベストタイミングで助けが入った。
「お、おいっ。カイネ、なにしてるんだ!? 妙なことしたら、バロック先生を呼んでくるぞ」
同じく畑からの帰り道なのであろうルークがうしろから走ってきてくれたのだ。バロック先生というひと言がきいたのか、それとももともと本気でなにかをする気はなかったのか、カイネはちっと舌打ちすると、すごすごと逃げていった。