一夜の。
「社長、あの時計気に入っていらしたので。
同じものを探しました。
かなり古いデザインなんですね。
探すのに苦労しました。」
あれは俺が親父からもらった時計だった。
俺の就職祝いに。
どんなに金があっても 時計はあれ意外いらなかった。
かなり前のデザインで 同じものを探せなかったのに。
「俺のために探してくれたの?」
「ええ。秘書は社長がお探しになっているものを見つけるのも仕事です。」
いつも通り有馬ちゃんは秘書らしい答えを淡々と発する。
「そう。それでも俺嬉しい。ありがとう。」