一夜の。


有馬ちゃんの口づけは


優しくて、攻めると逃げる。

俺が引けば 攻めてくるし。


激しくないけど 色っぽい。


「キス…上手いね。」


「もしかして、拗ねてます?」


そりゃあ拗ねるでしょ。


キスが上手いなんて、経験が浅くはない証拠だから。


「もしかして遊んでた時期があったとか?」


有馬ちゃんは小悪魔っぽい笑顔で


「大学の時に少し…。」
っとはにかんだ。



やっぱ俺ほどの男が惚れた女は

一筋縄ではいかないな。


「じゃあ他の男と比べられないくらい

甘いキスしてもいい?」


俺だって女癖の悪さは一流だ。

今は有馬ちゃん一筋だけど。


経験値なら負けない自信あるからね。


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