カノジョの彼の、冷めたキス


初めて渡瀬くんの家にお邪魔したのに、早速粗相するなんて恥ずかしい。

落ち込んで俯いていると、渡瀬くんがクスッと笑いながら飲んでいたコーヒーのカップをテーブルに置いた。


「大丈夫?すぐ洗えば落ちるんじゃない?着替え貸すから待ってな」

渡瀬くんが立ち上がりざまにあたしの頭をそっと撫でる。

目の前にふたつ並ぶおしゃれなペアカップのことはまだ少し気になったけど、頭を撫でていった渡瀬くんの手のひらの温もりにキュンとした。


「俺のだけどこれでいい?下もハーフパンツなら履けるよな」

しばらくして寝室から出てきた渡瀬くんが持ってきてくれたのは、白のTシャツとスウェット生地の黒のハーフパンツだった。

差し出された服を受け取ると、渡瀬くんがまたあたしの隣に無遠慮に座る。

すぐそばに渡瀬くんを感じられるその距離に、ひどく緊張する。


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