カノジョの彼の、冷めたキス
「だ、大丈夫!それくらいは自分で……」
「遠慮しないでいいよ?」
からかうように言いながら、渡瀬くんがあたしのほうに身を乗り出してくる。
今にも沸騰しそうなくらい真っ赤な顔をしたあたしの唇に、渡瀬くんがもう一度触れるだけのキスを落とす。
そうして顔を近づけたまま悪戯に笑うと、あたしのブラウスの一番上のボタンに指をかけた。
「待、って……」
ボタンを外そうとする手をつかまえようとしたら、それを遮るように唇を塞がれた。
触れ合うだけだったさっきまでのキスとは違う。
深いキスに抵抗する自由を奪われ、そのままソファーに押し倒された。
あたしの唇を塞いだまま、渡瀬くんが器用な手付きでブラウスのボタンをひとつずつ外していく。
オフィスを出る前とまるで同じ状況に、頬が上気して身体が熱くなった。