カノジョの彼の、冷めたキス
その日の昼休み。
昼ごはんを買いに出かけるためにエレベーターを待っていたら、後輩の三宅さんに声をかけられた。
「斉木さん、今からお昼ですか?もしよかったら、一緒に行きません?」
三宅さんとはあまり一緒に仕事をしたことがない。
営業部の他の同期や後輩含めてグループでランチに行ったことはあるけど、個人的な関わりはほとんどなかった。
それなのに、三宅さんのほうからランチに誘ってくるなんて珍しい。
あまり気は進まなかったけど、愛想よく微笑みながら誘ってくるので断れなかった。
「いいよ」
「よかった!ちょうど昨日、近くに新しくオープンしてた気になるランチブッフェの店を見つけたんです。開店記念で今日まで800円でランチが食べられるみたいなんですけど、部署の同期の子たちは営業が入ってたりお弁当持ってきてたりで都合が合わなくて」
なるほど。それで、たまたま誘われたのか。
三宅さんの教えてくれたお店は気になるし、彼女に案内されて着いて行ってみる。