秘密の恋 〜社長に恋して〜
徐々に、少しずつ、瑞穂の心中を侵食していった。

(- 絶対に気づかれてはいけない。秘書という信頼だけは失いたくない。)

その思いだけで、瑞穂はこの3年仕事をしてきた。
毎回、女の所に出かけていく由幸の後姿を見送り続けながら。

しかし、一度溢れてしまった思いを、由幸には知られずに一度でいいから満たしたい。



(- 今日の相手が当たりでここに社長が来なければあたしの負け。もし来たら…。あたしと気づかなかったら…一晩だけ…。)

自分でもこんな賭けに出たことに瑞穂は驚いていた。


(- きっと、さっきかけてもらった魔法のせいね。)

瑞穂は、香水の香りを吸い込んだ。

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