【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「……ええ」
嘘だ。
『愛しているわ、草志』
傷ついたような顔で、そういった夕蘭。
すぐに嘘だと思った。
思っていたかった。
「貴方のことを嫌いになったの。だから、望まれたように、ここに来たのよ」
夕蘭が王に望まれて、後宮に入らなければならなくなった話は聞いていた。
けど、愛していたから、渡したくなかった。
俺は守護聖で、この国を守っているんだから、王であろうと神には逆らえないから、王にそれをバラして、後宮入りを諦めさせても良かった。
けど、夕蘭が止めたから。
だから、遠い土地で二人でひっそりと暮らそうと思ってた。
夕蘭がいてくれるなら、地位も、権力も、金も、何もかも、いらなかった。
彼女が望むことは、何でもしてやりたかった。
なのに。
……この女は、裏切った。