【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
それと、スケコマシ……言われ続けると、大分、慣れてきたが、やっぱり、気持ちの良いものではない。
「……フフ、ごめんって。だから、そんな顔、しないでよ」
どんな顔をしていたのか。
自分の頬に手を当ててみるが、別段、普段となにも変わらない。
「違うって。ここ」
沙耶の指は相馬の目元に伸び、目の下を軽く擽るように、彼女の指は滑る。
「なんで、そんなに悲しそうな顔をしているの?」
見透かした、目。
「泣かないでよ。ね?相馬」
泣いてなんて、いないのに。
「あんたの心が泣いてるとか言ったら、気持ち悪いかもだけど……あんた、これから、泣くでしょう?」
沙耶が再び、前に身を乗り出したことで、近くなった俺たちの距離。