【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1


力を感じ、見つけたとき、彩麟はすでに石を抜き取られていて……力尽きて、死んでいた。


石のお陰で保てていた命だったのだ。


なのに、無惨にもあの男は、それを抜き取った。


側では、背中を斬られて、赤髪の瀕死の状態の赤ん坊もいて。


彩麟の部族は、全員、赤髪だった。


彩麟も、美しい赤髪だった。


だから、その子供も赤髪で。


「彩麟っ……!!」


その時、初めて、後悔した。


彩麟の身体を掻き抱いて、嗚咽した。


赤ん坊の傷を手当てして……例え、あの男の子供だとしても、守りたかった。生きていて、欲しかったから。



彩麟の身体は、ある山の天辺に埋葬した。


『ねぇ、水星。私、身体が弱いけどね、飛んでみたいの。高い、高い、所まで。飛んで、飛んで、自分がどこまで行けるのか、見てみたいわ』



……そう、言っていたから。



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