【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
この時代ともなると、18歳は行き遅れだ。
そんなある日、桜華の姉、桜蘭に縁談が来た。
けど……
「桜蘭ね、好きな人がいるんだって。その人と生きていくって決めているから、嫁ぎたくないってお父様に言ったそうよ。でも、そうなれば、お父様が困っちゃうじゃない?だから、私が代わりに嫁ぐ!」
満面の笑みで、そう言われたとき、心が痛んだ。
何かで思いきり、抉られたように。
「そうか……」
辛いくせして、いつもと変わらずに頭を撫でていた俺。
時は、やっぱり、残酷で。
生あるものを縛り付け、振り回す。
そんな存在になりつつある、時。
「炎樹、私ね、炎樹を愛してた」
嫁ぐ、前夜。
そう言ってくれた、お前に俺は何て言えば良かったんだろう。
――行くな?
――愛してる?
――巫女だから?
…………全部、違った。