華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
エメラルドグリーンの瞳に捉えられ、彼が言いたいであろうことに、はっと気づく。まさか……。
「わ、たし?」
山賊は、私を狙っている──?
信じられない思いで口にしたものの、それを肯定するようにセイディーレは目を伏せた。
呆然と立ち尽くしていると、姉様がガタン!と椅子を揺らして立ち上がる。
「そんな……っ、狙いがリルーナって、どうして!?」
「クラマインの山賊は貧困層でもありますが、政府に不満を持っている人間が大多数を占めている。つまり反政府組織なのです。
リルーナ姫を人質に取り、ハーメイデン国を意のままに操ってクラマインに対抗しようとしているとも考えられます」
かなり動揺した様子で声を荒らげる姉様に、セイディーレは冷静に説明した。
すると、難しい顔をして考えていた陛下が、小さく頷きながら「ありえるな」と同意する。
「山賊はどんどん規模を拡大している。最終目標は自分たちの国を作ることだと言っても過言ではない。クラマインには王女がおらぬからな、人質に取りやすいリルーナ姫を狙っているのかもしれぬ」
陛下の声には説得力があり、言い知れない恐怖を覚える。
「わ、たし?」
山賊は、私を狙っている──?
信じられない思いで口にしたものの、それを肯定するようにセイディーレは目を伏せた。
呆然と立ち尽くしていると、姉様がガタン!と椅子を揺らして立ち上がる。
「そんな……っ、狙いがリルーナって、どうして!?」
「クラマインの山賊は貧困層でもありますが、政府に不満を持っている人間が大多数を占めている。つまり反政府組織なのです。
リルーナ姫を人質に取り、ハーメイデン国を意のままに操ってクラマインに対抗しようとしているとも考えられます」
かなり動揺した様子で声を荒らげる姉様に、セイディーレは冷静に説明した。
すると、難しい顔をして考えていた陛下が、小さく頷きながら「ありえるな」と同意する。
「山賊はどんどん規模を拡大している。最終目標は自分たちの国を作ることだと言っても過言ではない。クラマインには王女がおらぬからな、人質に取りやすいリルーナ姫を狙っているのかもしれぬ」
陛下の声には説得力があり、言い知れない恐怖を覚える。