華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
しかし、それはハーメイデンに帰ることにしても同じだ。私のせいで、皆に多大な迷惑がかかってしまう。一体どうしたら……。
いくら考えても堂々巡りで、困り果てていたそのとき。
「一旦、姫君を逃亡させましょう。山賊が特定できない場所へ」
凛とした声が、静かな会議室に響き渡った。
沈黙を破ったセイディーレは、私はもちろん、皆の視線を一斉に浴びて話を続ける。
「港の近くに、私が所有している別荘があります。そこなら、簡単には見つけられないはず。やつらが姫を探している間に、こちらが先に山賊の首領を取り押さえればいい」
別荘というと、上流階級の人々が田舎などに建てる豪勢な邸宅のことだろう。セイディーレがそんな土地と建物を持っているだなんて驚きだ。
そこに逃げ込んで身を隠すの? それなら確かに、迷惑をかけるのも最小限に抑えられるかもしれない。
皆は“その案があったか”というような感じで頷く。
私もひとつの希望を灯した瞳でセイディーレを見つめると、背筋を伸ばしたお父様が真剣な表情で確認する。
いくら考えても堂々巡りで、困り果てていたそのとき。
「一旦、姫君を逃亡させましょう。山賊が特定できない場所へ」
凛とした声が、静かな会議室に響き渡った。
沈黙を破ったセイディーレは、私はもちろん、皆の視線を一斉に浴びて話を続ける。
「港の近くに、私が所有している別荘があります。そこなら、簡単には見つけられないはず。やつらが姫を探している間に、こちらが先に山賊の首領を取り押さえればいい」
別荘というと、上流階級の人々が田舎などに建てる豪勢な邸宅のことだろう。セイディーレがそんな土地と建物を持っているだなんて驚きだ。
そこに逃げ込んで身を隠すの? それなら確かに、迷惑をかけるのも最小限に抑えられるかもしれない。
皆は“その案があったか”というような感じで頷く。
私もひとつの希望を灯した瞳でセイディーレを見つめると、背筋を伸ばしたお父様が真剣な表情で確認する。