華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
なにも出ることはないだろうけど、やっぱり怖い。
私、幽霊とかオカルト系が苦手なのよね……。早くしなくちゃ、この厳しい指揮官様に怒られてしまうのに!
なかなか一歩を踏み出せないでいると、突然ぽんっと頭になにかがのせられた。温かい、この感覚は……。
そろそろと目線を上げると、こちらに手を伸ばすセイディーレの姿がある。
この人がまさか頭を撫でるという優しい仕草をするとは思わず、ぽかんとして固まってしまった。
「心配するな。ちゃんと連れ出してやる」
いつもの冷たい口調ではなく、私を安心させてくれる穏やかな声。しかも、最後にほんの少し笑みを見せてくれた。
じわじわと胸が温かくなって、恐怖が消えていく。彼の一挙一動が、私に強さをくれる。
「……うん。セイディーレも気をつけて」
ようやく歩きだす勇気が持てた私は、彼が軽く頷くのを見届けて、一歩を踏み出した。
歩き初めてしばらくは少しビクビクしていたけれど、とにかくどんどん進んでいった。
足早に歩くことおそらく数分、石の階段を上ると扉が見えてほっと息をつく。あとはセイディーレが扉を開けてくれるのを待つだけだ。
私、幽霊とかオカルト系が苦手なのよね……。早くしなくちゃ、この厳しい指揮官様に怒られてしまうのに!
なかなか一歩を踏み出せないでいると、突然ぽんっと頭になにかがのせられた。温かい、この感覚は……。
そろそろと目線を上げると、こちらに手を伸ばすセイディーレの姿がある。
この人がまさか頭を撫でるという優しい仕草をするとは思わず、ぽかんとして固まってしまった。
「心配するな。ちゃんと連れ出してやる」
いつもの冷たい口調ではなく、私を安心させてくれる穏やかな声。しかも、最後にほんの少し笑みを見せてくれた。
じわじわと胸が温かくなって、恐怖が消えていく。彼の一挙一動が、私に強さをくれる。
「……うん。セイディーレも気をつけて」
ようやく歩きだす勇気が持てた私は、彼が軽く頷くのを見届けて、一歩を踏み出した。
歩き初めてしばらくは少しビクビクしていたけれど、とにかくどんどん進んでいった。
足早に歩くことおそらく数分、石の階段を上ると扉が見えてほっと息をつく。あとはセイディーレが扉を開けてくれるのを待つだけだ。