華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
まだかまだかと待っていると、外からなにやら声が聞こえてくる。数人の男の、叫び声やうめき声が。
えぇ~、なにが起こっているの!? セイディーレは無事よね……?
肩をすくめて、早く彼が来てくれることを祈っていたとき、扉が軋む音と共に明るい光が差し込んできた。
そこから現れたのは、凛々しい表情をしたセイディーレだ。動きやすいようにするためか、サーコートが取り外された姿で。
よかった、来てくれた……!
「来い」と言って差し出された、白い手袋を嵌めた手を、すぐさますがりつくように握り返す。
「すぐに馬に乗るぞ」
「うん……っ!?」
返事をして外へ出た瞬間、足元に人が倒れていることに気づき、驚きで息を呑んだ。
ふたりの大柄な男が地べたに伸びていて、少し離れたところにも、同じ光景が広がっている。さっき聞こえてきた声は、この人たちのものだったのか。
セイディーレが皆やっつけたんだよね? さすが黒の騎士様、容赦ない……。
やっぱり山賊がこんなところにまで忍び込んでいたらしいことにも背筋がぞくりとしつつ、私は恐る恐る尋ねる。
えぇ~、なにが起こっているの!? セイディーレは無事よね……?
肩をすくめて、早く彼が来てくれることを祈っていたとき、扉が軋む音と共に明るい光が差し込んできた。
そこから現れたのは、凛々しい表情をしたセイディーレだ。動きやすいようにするためか、サーコートが取り外された姿で。
よかった、来てくれた……!
「来い」と言って差し出された、白い手袋を嵌めた手を、すぐさますがりつくように握り返す。
「すぐに馬に乗るぞ」
「うん……っ!?」
返事をして外へ出た瞬間、足元に人が倒れていることに気づき、驚きで息を呑んだ。
ふたりの大柄な男が地べたに伸びていて、少し離れたところにも、同じ光景が広がっている。さっき聞こえてきた声は、この人たちのものだったのか。
セイディーレが皆やっつけたんだよね? さすが黒の騎士様、容赦ない……。
やっぱり山賊がこんなところにまで忍び込んでいたらしいことにも背筋がぞくりとしつつ、私は恐る恐る尋ねる。