華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
そこからはボートや船が泊まっている港と、沈む直前の朱い夕日が見渡せる。鼻をかすめる潮の香りと頬を打つ涼しい風が、とても心地良い。
興味津々で橋の手すりに近づくと、セイディーレも隣にやってきた。
「実際に見ると圧倒されるわね」
「海を見るのも初めてか?」
「えぇ。ハーメイデンにはないから」
さっきまでの緊迫感はしばし忘れ、穏やかな気持ちで海を眺める。
とろけそうな夕日が反射してきらきらと輝く広い水面が、こんなにも美しいものだったなんて。
「すっごく綺麗……」
感動しながらも、なんだか切なさを感じ、海を見つめたまま呟いた。
外へ出なければ危険もないけれど、この景色も見ることはできない。そう思うと、複雑な気分だ。
思いを巡らせていたとき、ふと視線を感じて振り向く。すると、私の目にはエメラルドグリーンの光が飛び込んできた。
こちらを見つめる彼の瞳には、なんだか情熱のようなものを感じて、ドキリと胸が鳴る。
なんだろう? いつも冷たい色を湛えている彼らしくない……。
興味津々で橋の手すりに近づくと、セイディーレも隣にやってきた。
「実際に見ると圧倒されるわね」
「海を見るのも初めてか?」
「えぇ。ハーメイデンにはないから」
さっきまでの緊迫感はしばし忘れ、穏やかな気持ちで海を眺める。
とろけそうな夕日が反射してきらきらと輝く広い水面が、こんなにも美しいものだったなんて。
「すっごく綺麗……」
感動しながらも、なんだか切なさを感じ、海を見つめたまま呟いた。
外へ出なければ危険もないけれど、この景色も見ることはできない。そう思うと、複雑な気分だ。
思いを巡らせていたとき、ふと視線を感じて振り向く。すると、私の目にはエメラルドグリーンの光が飛び込んできた。
こちらを見つめる彼の瞳には、なんだか情熱のようなものを感じて、ドキリと胸が鳴る。
なんだろう? いつも冷たい色を湛えている彼らしくない……。