華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情

慰めは優しい抱擁で


その後もいろいろと詮索されたものの、どれも無難な答えを返したり話を逸らしたりして、なんとか切り抜けた。出身地は嘘をつかず、ハーメイデンから来たということにしてある。

複雑な気分ではあっても、ふたりと話すのは本当に楽しくて、終始笑い合いながら食事を終えたのだった。

お風呂に入らせてもらい、着替えのゆったりしたネグリジェも借りて、今夜過ごす寝室に向かう。

二階にある広々とした部屋に入ると、ここはゲストルームらしく、壁側に天蓋つきの大きなベッドや棚、その手前にソファと小さなテーブルがある。

とても綺麗に保たれているそこを興味津々で見回していると、戸口に立つアンジェが声をかける。


「あたしは一階の使用人の部屋にいるから、なにかあったらいつでも呼んでね。エトワルの部屋もあたしの隣だから」

「うん、ありがとう」


お礼を言ったのもつかの間、私は彼女に腕を引っ張られてなぜか廊下に連れ出された。

目をぱちくりさせる私の耳元に顔を寄せるアンジェは、こそこそとこんなことを口にする。


「セイディーレ様の部屋はここね。一緒に寝てももちろんオッケーよ」

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