華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
若干戸惑いつつ挨拶をする私に、ジルスター殿下はずいっと距離を縮め、ナチュラルに手を握ってくる。
「聞いていた通りのお美しい姫君ですね。お会いできて光栄です。今宵のパーティーではぜひ私とダンスに興じていただけませんか」
うわわわ、なんか馴れ馴れし……いや、とってもフレンドリーなんだけど!
にこにこしていて愛嬌があるものの、積極的な彼にどぎまぎしていた、そのとき。
「ジル」
聞き覚えがある声が殿下を親しげに呼び、さらに落ち着いた調子で言う。
「彼女は私の婚約者だ。気安く触れないでくれ」
そんな言葉が耳に入ると同時にそちらを見やった私は、姿を目にした瞬間、呼吸が止まるかと思った。
意識のすべてが、一瞬で彼に支配される。
「セ……セイ、ディー、レ……!?」
声にならない声が、私の口からこぼれた。
幻でも見ているかのように、尋常じゃなく驚いているのは、今の彼はあの黒い軍服姿じゃないから。
金の刺繍が施された紺色の胴衣を纏い、肩から王家の紋章が入ったサッシュをかけている。どう見ても王族の姿だし、それに……。
今、『彼女は私の婚約者だ』と言った、よね? 一体どういうこと!?
「聞いていた通りのお美しい姫君ですね。お会いできて光栄です。今宵のパーティーではぜひ私とダンスに興じていただけませんか」
うわわわ、なんか馴れ馴れし……いや、とってもフレンドリーなんだけど!
にこにこしていて愛嬌があるものの、積極的な彼にどぎまぎしていた、そのとき。
「ジル」
聞き覚えがある声が殿下を親しげに呼び、さらに落ち着いた調子で言う。
「彼女は私の婚約者だ。気安く触れないでくれ」
そんな言葉が耳に入ると同時にそちらを見やった私は、姿を目にした瞬間、呼吸が止まるかと思った。
意識のすべてが、一瞬で彼に支配される。
「セ……セイ、ディー、レ……!?」
声にならない声が、私の口からこぼれた。
幻でも見ているかのように、尋常じゃなく驚いているのは、今の彼はあの黒い軍服姿じゃないから。
金の刺繍が施された紺色の胴衣を纏い、肩から王家の紋章が入ったサッシュをかけている。どう見ても王族の姿だし、それに……。
今、『彼女は私の婚約者だ』と言った、よね? 一体どういうこと!?