華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
驚きと感心とで目を丸くしていると、グラスに残っていた葡萄酒をぐいっと飲み干したマジーさんが、とろんとした眠そうな顔で言う。
「歴代の指揮官の中でも、セイディーレほど有能な人はおらんかったからな。巷じゃ“黒の騎士”なんて呼ばれて、皆恐がっとるわ」
「黒の騎士、ですか」
そのネーミングはぴったりだな。着ている服も、相棒の馬も、雰囲気も色に例えたら黒っていう感じがするもの。
マジーさんは、彼が黒の騎士と呼ばれる所以をさらに話してくれる。
「魔物を倒すことができるのはあいつくらいだし、罪人にも容赦しない。情状酌量なんていう言葉は、やつの辞書にはないんじゃないかってくらい、冷酷で無慈悲だ……と、世間からは思われとる」
それを聞いて、なぜか胸がもやっとした。
確かに彼はとても冷たいし、仕事をしているときはどんな様子なのかわからないけれど……。
「……私には、そこまで酷い人だとは思えません」
今日会ったばかりでも、彼の心の奥に潜んでいる優しさがかいま見える瞬間があると感じるから。
「歴代の指揮官の中でも、セイディーレほど有能な人はおらんかったからな。巷じゃ“黒の騎士”なんて呼ばれて、皆恐がっとるわ」
「黒の騎士、ですか」
そのネーミングはぴったりだな。着ている服も、相棒の馬も、雰囲気も色に例えたら黒っていう感じがするもの。
マジーさんは、彼が黒の騎士と呼ばれる所以をさらに話してくれる。
「魔物を倒すことができるのはあいつくらいだし、罪人にも容赦しない。情状酌量なんていう言葉は、やつの辞書にはないんじゃないかってくらい、冷酷で無慈悲だ……と、世間からは思われとる」
それを聞いて、なぜか胸がもやっとした。
確かに彼はとても冷たいし、仕事をしているときはどんな様子なのかわからないけれど……。
「……私には、そこまで酷い人だとは思えません」
今日会ったばかりでも、彼の心の奥に潜んでいる優しさがかいま見える瞬間があると感じるから。