華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
テーブルの木目に視線を落として言うと、マジーさんの表情もふわりと柔らかくなる。
「あぁ、わしもだ」
しっかりとした口調で返してくれて、私は少し嬉しくなって微笑んだ。
……って、なんで嬉しくなっているんだろう。よくわからない。
謎の心情に首を捻っていると、大きなあくびをしたマジーさんが、テーブルに突っ伏しながら独り言のように呟く。
「たとえ、悪魔の血を受け継いでたとしてもな……」
「え?」
──悪魔の、血?
気になりすぎるひと言を耳にした瞬間、身体の奥でなにかがドクンと疼きだす感覚がした。
それはおそらく、得体の知れない“恐怖”。
ハーメイデンでも、昔から悪魔の存在が信じられてきた。人を惑わし、堕落させ、あらゆる害を与える悪しきものが、この世のどこかに身を潜めていると。
実際、それに襲われたことがある人間が、ほかでもないこの私……らしい。
なぜ他人事なのかというと、私にはその記憶がないから。
幼い頃、城の外で遊んでいたときに何者かに襲われ、倒れているところを発見された。調査をしたところ悪魔の仕業だとわかったと、あとからお父様に聞かされたのだ。
「あぁ、わしもだ」
しっかりとした口調で返してくれて、私は少し嬉しくなって微笑んだ。
……って、なんで嬉しくなっているんだろう。よくわからない。
謎の心情に首を捻っていると、大きなあくびをしたマジーさんが、テーブルに突っ伏しながら独り言のように呟く。
「たとえ、悪魔の血を受け継いでたとしてもな……」
「え?」
──悪魔の、血?
気になりすぎるひと言を耳にした瞬間、身体の奥でなにかがドクンと疼きだす感覚がした。
それはおそらく、得体の知れない“恐怖”。
ハーメイデンでも、昔から悪魔の存在が信じられてきた。人を惑わし、堕落させ、あらゆる害を与える悪しきものが、この世のどこかに身を潜めていると。
実際、それに襲われたことがある人間が、ほかでもないこの私……らしい。
なぜ他人事なのかというと、私にはその記憶がないから。
幼い頃、城の外で遊んでいたときに何者かに襲われ、倒れているところを発見された。調査をしたところ悪魔の仕業だとわかったと、あとからお父様に聞かされたのだ。