アフタースクールラヴストーリー

――こうして、呉葉は僕に告白した。
予想外の出来事に頭が真っ白になり、僕は「ごめん」と一言だけ返し立ち去ってしまったのだった。

翌日以降、僕は呉葉と顔を合わせることはなかった。
呉葉が告白してから何日間か、学校内では彼女と僕が付き合っているのではないかという噂が流れた。
しかし呉葉達三年生は自由登校となっており、大騒ぎになるまではいかなかった。
僕も異性の生徒と一緒に帰っていたことに対する注意を受けたが、それ以上は何も触れられなかった。
そうして何もかもが曖昧なまま時が過ぎ、僕は逃げるように全高へと転勤した。
大事にならなかったものの、呉葉の言葉から背を向け、傷つけてしまったのは事実だ。
僕は教師として、一人の人間として自分を恥じた。
そしてこの学校に来る時にもう二度とこんなことはしないと誓った。
どんなことがあっても生徒と真っすぐに向き合うと決めた。

だが、現実はこの有様。
呉葉と水族館で会った時にした約束も、既に破ろうとしている。
本当に何をやっているのだろうか。

そう僕が自分への嫌悪感を抱いていると、職員室の方から高山先生の大きな声が聞こえてきた。
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