アフタースクールラヴストーリー
「そ、副崎さんが、いなくなってしまいました!」
その言葉を聞き、僕は崖から突き落とされたような衝撃を受けた。
気が付くと会議室を飛び出して、職員室へと入っていた。
「ど、どういうことですか⁉」
僕の声が職員室内に響き渡る。
「さ、さっき二組の教室に行ったら副崎さんがいなくて、生徒に聞いたら出て行ってしまったと……。どこへ行ったかは分からないらしくて……」
騒然とする職員室。
僕は言葉も出せず、その場に立ち尽くしていた。
「皆さん、静かにして下さい!」
校長先生の声を張り上げる。
水を打ったように静まり返る職員室。
僕も校長先生の声に反応し我に返る。
「高山先生、その話は本当ですか?」
校長先生は高山先生に事実確認をする。
「は、はい。生徒が嘘をついているようには思えませんでしたし、おそらく間違いありません」
「分かりました。皆さん、一度自分の席に着いて下さい」
校長先生に言われ、立っていた先生達が自分の席に着く。
「それと久田先生、貴方は会議室に戻って下さい」
「え?」
「副崎さんがいなくなったのは、ほぼ確実に昨日の件が原因です。そこに貴方が絡んでは話がややこしくなると、先程も言いました」
「で、ですが……」
「戻って下さい!」
「あ……」
校長先生は鬼のような目つきをしている。
そこに僕が歯向かう隙間など、ありはしない。
「は、はい……」
僕は弱弱しく返事をして、会議室に戻るしかなかった。