アフタースクールラヴストーリー
「副崎! 副崎!」
「……んんっ……」
「副崎⁉」
目の前には、久田先生の顔があった。
どうやら先生は私を、岸辺まで運んできてくれたようだ。
先生は覆いかぶさるようにして、心配そうに私を見つめている。
「せ、先生……」
「副崎……」
先生は私の意識が戻ったことを確認すると、私の身体を起こして抱きしめてきた。
「せ、先生?」
「ごめん……、ごめんな副崎」
先生が何故謝るのか、私には分からなかった。
けれどそこから伝わってきた温もりと優しさが、私を襲っていた孤独感を綺麗に拭い去ってくれた。
私の瞳から、自然と大粒の涙が零れ出す。
「先生、私の方こそごめんなさい……。私のせいで、先生に迷惑をかけてしまって……」
「僕は大丈夫だから。それよりも何よりも、君が無事で見つかって良かった」
先生はそう言って一層力を入れ、そのまま暫く抱きしめ続けてくれた。
私はその間、先生の胸で泣きじゃくるばかりだった。
私を連れて行くのを諦めたかのように、波の音は平穏になっていった。