アフタースクールラヴストーリー
「大丈夫。副崎は間違ってないよ。君は何もおかしくない」
「先生……」
副崎は顔を上げて僕を見る。
僕も彼女の方を向いて、柔和に笑いかける。
「副崎の気持ちは真っ直ぐで、純粋で、美しい。おかしなところなんて一つもない。生徒会にいる時だって、会長としてふさわしい行動している。僕が断言する。だから君は胸を張っていい」
告白された相手に、こんなことを言うのが正しいかどうか分からない。
それでも彼女の力になれるのなら、僕は何でも良かった。
「えっと……」
副崎はきょとんとして、何も言わずにこちらを見つめている。
やはり僕がこんなこと言うのはまずかっただろうか。
「フフフッ」
不意に副崎が笑い出す。
「な、何?」
「普通、告白された相手にそんなことを言わないでしょ」
「う……」
僕は恥ずかしくなり、副崎から目を逸らす。
彼女は一息ついて笑うのを止めると、幸せに包まれたような笑顔で言う。
「でも、ありがとうございます。先生が味方でいてくれるだけで、私には十分です」
「そ、そっか」
「やっぱり私、先生が大好きです!」
「へっ?」
思いがけず僕は彼女の方を振り向く。
その拍子に、偶然お互いの目が合ってしまう。
「あ……」
「あ……」
まるで磁石が引き寄せ合うかの如く、二人の唇と唇の距離が縮まる。
ごく自然に、それが当たり前であるように。
僕は自分の鼓動が急速に高鳴っていたことに、全く気付かなかった。