アフタースクールラヴストーリー
「見つけたぞ!」
二人の唇が重なりそうになったまさにその寸前で、どこからか叫び声が鳴る。
僕らはすぐさま距離を取り、声が聞こえた方を確認する。
視線の先には、教頭の横谷先生をはじめ数人の先生がこちらに近づいてきていた。
「ひ、久田先生、何故ここに……?」
同行していた御手洗先生が、困惑しながら僕に尋ねる。
「貴方は会議室から出るなと言われていたはずでは?」
続いて横谷先生が厳しい目をして言う。
「それは……その……」
僕がしどろもどろになる姿を見た横谷先生は、忌々しいものを見るような表情で大きく溜息をつく。
「はあ……。まさか本当に二人がそういう関係だったとは。全く、呆れたもんだな!」
横谷先生の口調が激しくなる。
僕は一瞬身を竦めた。
「ち、違います。そうじゃないんです」
「だったらこの状況はどう説明するんだね! すべき行動があったにも関わらず、共に学校を抜け出して二人きりで海で会っていただと。こんなの誰が見たって、君らの関係を疑うよ」
他の先生達も賛同するように首を縦に振る。
御手洗先生はなるべく僕らと目を合わさないようにしながら、何も言わずに立ち尽くしている。
「それは副崎のことが、心配でいてもたってもいられなかったからで、決して計ったわけではないんです」
「フンッ、口では何とでも言える。それにもうここまで大事になったんだ。君には相応の処分を受けてもらう。とりあえず、この学校からはいなくなってもらうかもしれないな」
「そ、そんな」
その言葉に僕は愕然とした。
副崎も狼狽眼でこちらを見ている。
更に横谷先生は、彼女の方にも言及し始めた。