副社長はウブな秘書を可愛がりたくてたまらない
「副社長。お待たせしてすみません……」

 自室のドアを開けて顔を覗かせると、彼はすでに用意を済ませてソファーに掛けていた。

「準備出来た?」

 徐に立ち上がり薄笑みをこちらに向ける彼は、濃紺の襟付きシャツにデニムパンツを履いていて、胸には嫌味のない小さなストーンのネックレスが輝いている。

 とてもシンプルな格好なのに、こんなにもかっこいいなんて……。

 思わず鼓動が早くなるのを感じて、私は隠れているドアを閉めて閉じこもりたくなるのをグッと堪えた。

「明日奈、早く出ておいで」

 小首を傾げる彼を見て、私は覚悟を決めて恐る恐る部屋から出る。

 ……どうしよう。副社長がせっかくプレゼントしてくれたけど、こんな大人っぽい服、本当に私に似合ってるかな?

 とてもじゃないけれど彼の顔を見ることは出来なくて、ストッキングを履いた足をモジモジさせながら床を見つめていた。

 すると、彼がクスリと小さく笑みを零す声が聞こえてくる。
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