副社長はウブな秘書を可愛がりたくてたまらない
 家に着くと、彼は私をソファーに座らせる。

 そして自身も隣に腰掛けると、ほっと小さく息をついた。

「……ただいま帰りました」

 小さく呟くと、彼は嬉しそうに目を細める。

「おかえり」

 気恥ずかしくて視線を逸らすと、彼は私の肩にコテン、と頭を乗せた。

 突然のことに驚いて身体を跳ねさせるけれど、心地良さそうに瞼を閉じる彼を見て、私は目を白黒させながら姿勢を整える。

 すると彼は、徐に口を開いた。

「俺と美穂子と三浦は、幼なじみなんだ」

 思わず小さく「えっ?」と声を漏らすけれど、彼はそのまま言葉を続ける。

「三浦に、俺と幼なじみって聞いただろ? そこに二つ年下の美穂子もいて、俺たちは子供のときからいつも三人でいることが多かった。でも大学を卒業したとき、父に美穂子が俺の婚約者だと告げられたんだ……」

 最後の一文に胸が大きく跳ねて、私は不規則になる鼓動に両手を強く握り締めた。
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