副社長はウブな秘書を可愛がりたくてたまらない
「…………ったく。お前は」

 唇を噛み締めながら私を見下ろしていた彼は、低い声で吐き捨てるように呟くと、突如私を抱え上げた。

 驚いて声を上げる間もなく、彼は足早に自室へと向かう。

 そして蹴り開けるようにドアを開けた彼は、現れたベッドに私を降ろした。

「ふ、副社長……?」

 背中に触れた冷たいシーツの感触に戸惑いながらも徐に上半身を起こすと、彼はそれを許さないように私の上へと覆いかぶさる。

「あ、あの……!」

 彼の肩を押して身じろぐけれど、彼はビクともせず私を壊れ物のように優しく抱き締めた。

 顔を上げた彼は余裕のない表情を浮かべていて、その目は少し苦しそうに欲に揺れている。

 思わず胸がどきついて、私は身体中を燃えるように熱くさせた。

「お前が悪い」

 掠れた声でそう呟いた彼は、私の首筋に顔を埋めていく。熱い唇が触れる度、私はビクリと身体を跳ねさせた。

 強引な行動とは裏腹に、誰よりも優しく私に触れる優しい手。

 時折視線が絡み合い、幸せで涙が滲むけれど、彼はそんな余裕すら私から奪うように私を求めた。

「明日奈。――愛してる」

 何度も囁かれたその言葉は、彼の熱とともに私に刻み込まれた。
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