副社長はウブな秘書を可愛がりたくてたまらない
エレベーターはいつものフロアをとっくに通り過ぎ、グングン上へと昇っていく。
ふと背後にある全身鏡に映る自分の姿を見て、居心地の悪さに思わず身体を縮こまらせた。
再び視線を流しても映るのは見慣れたシンプルなスーツではなく、白の襟付きブラウスにアイスブルーのカーディガン、アイボリーのフレアスカート姿の私。
この服を選ぶのに、昨日一体何時間かかったことか……。
うちは秘書だけはスーツではなく私服を指定されていて、副社長に貰った書類にも身だしなみについて簡単に説明されていた。
重要なのは、人に不快感に与えない服装、清潔感、を重視することだと。
もちろんそれは他の部署でも共通することだが、マーケティング部にいるときは毎日スーツを着ていれば大丈夫だったので、ここまで頭を悩ませられることはなかった。
これで、本当に大丈夫かな……。
ポン、と弾んだ音が鳴り、最上階の一つ下、二十四階で止まったエレベーターの扉が開くとその緊張感は一気に増した。
そしてすぐ目の前に現れた扉には、黒に金字で『副社長室』と書かれたプレートが掛かっている。
大きく深呼吸をして覚悟を決めた私は、その重厚な扉を遠慮がちに三回ノックした。
ふと背後にある全身鏡に映る自分の姿を見て、居心地の悪さに思わず身体を縮こまらせた。
再び視線を流しても映るのは見慣れたシンプルなスーツではなく、白の襟付きブラウスにアイスブルーのカーディガン、アイボリーのフレアスカート姿の私。
この服を選ぶのに、昨日一体何時間かかったことか……。
うちは秘書だけはスーツではなく私服を指定されていて、副社長に貰った書類にも身だしなみについて簡単に説明されていた。
重要なのは、人に不快感に与えない服装、清潔感、を重視することだと。
もちろんそれは他の部署でも共通することだが、マーケティング部にいるときは毎日スーツを着ていれば大丈夫だったので、ここまで頭を悩ませられることはなかった。
これで、本当に大丈夫かな……。
ポン、と弾んだ音が鳴り、最上階の一つ下、二十四階で止まったエレベーターの扉が開くとその緊張感は一気に増した。
そしてすぐ目の前に現れた扉には、黒に金字で『副社長室』と書かれたプレートが掛かっている。
大きく深呼吸をして覚悟を決めた私は、その重厚な扉を遠慮がちに三回ノックした。