となりの席
「じゃあまたね」


そう言って、紗彩はニヤニヤしながら教室を出た。


「なら帰ろっか」


低い声が上から聞こえる。


幸い、車椅子に乗ってるおかげて、歩きながら顔を見なくてすむから、余計なドキドキはしなくて済む。


そう、恋しちゃダメなの、私は。


「なんか、緊張するなぁ〜」


「そ、そだね...」


なんだか気まずい感じになってしまった。


バス停まで少し距離がある。


もう夏だから、外も蒸し暑い。


「カバン重いのに、こんなお荷物も運ばせてごめんね?」


「荷物なんかじゃないよ、芽衣ちゃん軽すぎるしさ」


「最近動かなくて筋肉落ちちゃったから、軽くなっちゃったかもね...」


少し話してるうちに、バス停に着いた。


「バスちょっと前に行っちゃったみたいだね...次は30分後だ...」


「私のせいだ...ごめんね、帰るの遅くなって...」


「いいよいいよ」


そのまま、待合い室に入った。


少しクーラーが入ってて涼しかった。


「あのさ...返事、聞きたいなって.....」
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