天使と悪魔の子


12月11日



彼から逃げたくて屋上に逃げた。



我慢して寒い中ご飯を食べていたのに、



彼は来てしまった。



「一緒に食べていい?」



だってさ



会いたくなくて独りでご飯を食べていたのにね



そのまま無理とも言えず



彼のペースに飲み込まれた。



そしてひょんなことから私は屋上から落ちた



“このまま死ねるかな”



なんて思ったけど、



私は簡単には死ねない



あるのは痛みだけ



そう思って痛みを待った。



あぁ また化け物を見るような目で見られる



何故か彼にはそんな目で見られたくなかった。



思わず唇の端が上がる。



「たすけて」



心がそう叫んでいた。



急に重力が体にかかる



あれ?



痛くない



感じるのは痛さじゃなくて安心だった。



目を開くとその光景に息を飲んだ。



真っ白な羽と黒い羽



青と赤の瞳が本当に綺麗で



死んだんじゃないかと思った。



それについて聞いてみるけど彼は知らないふり



会った時からなにかとはぐらかされてばっかり



もっと、相談してくれてもいいのにな…


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