fantasista 2
だけど……
「どうしたんだ?」
戸崎は怪訝な顔であたしを見る。
「なんでそんな顔するんだ?」
何言ってるの?
あたし、こんなにも元気を装っているのに。
なんで、戸崎には分かってしまうの?
「大丈夫!素敵な家族だと思って」
「お前が辛いと、俺も辛いんだ」
元気を装うあたしに発せられたその言葉に、胸を抉られた。
幸せな一家に生まれ、女性にもモテモテの戸崎。
家族からも女性からも嫌われたあたし。
その差を実感すると、ますます惨めになる。
「幸せなあんたには分からないよ」
戸崎に当たってしまう愚かなあたしに、戸崎はそっと手を差し伸ばした。
その腕に抱かれ、あたしは震えていた。
世界が戸崎とあたしだけになってしまえばいいのに。
そうすれば、自分が邪魔者だなんて思わなくなる。