fantasista 2
「お前をまた、俺のものに出来る」
再び唇を付けられ、あたしはびくんと飛び跳ねる。
恥ずかしくて緊張して、何も言えなくなる。
ただ真っ赤になって黙るあたしに対して、戸崎は……戸崎も、頰を染めて赤い顔であたしを見ていた。
泣いてしまうのかと思うほど切なげで必死で、そして狂いそうなほど甘くって。
「大丈夫。俺もすげぇ緊張してる」
そう言って、彼はあたしの手を掴み、その大きな胸に当てる。
あたしの手が感じた微かな鼓膜は、あたしと同じですごく速くて。
少しだけ安心して笑ってしまった。