fantasista 2
「今日はみどりにシュートしてやる」
「馬鹿」
思わず笑ってしまった。
こんな時なのに、何言ってるんだろうと思って。
甘かったムードも緩んでしまったよ。
顔を綻ばせるあたしの身体に、重く鈍い痛みが走る。頰を涙が溢れ落ちた。
駄目だ……やっぱり駄目だ!
必死でそのユニフォームにしがみつき、身体を震わせた。
そんなあたしを、やっぱりぎゅっと抱きしめてくれる柊。
全身を震わせ、必死に動かないように我慢して。
そんな柊が愛しくて。
柊が満たされて欲しくて。
その身体をぎゅっと抱きしめた。
「……柊」
あたしの声はかすれていた。
「大好き……」