fantasista 2





「待ってたよ」




予想外のその言葉に顔を上げる。

すると、二回だけ会ったことがあるその男性は、優しげな顔であたしを見下ろしていた。

そんな男性に思わず見入ってしまう。




最後に会ったのは二年前だった。

どうしても実家に用事があって帰った時だ。

あの時あたしは彼に会うのが怖くて、一瞬顔だけ見て、一目散に逃げたんだ。

その時の彼より、少しだけ歳を取っていた。

その顔で笑いながらあたしに告げる。





「みどりちゃんのお母さんは、今買い物に行ってるから」



「……はい」



「みどりちゃんが帰ってくるって聞いて、喜んでお菓子を買いに出て行ったんだよ」



「……え?」





ポカーンとしていた。

その言葉が信じられなかった。

あたしが帰るのを……喜ぶ?




後ろに立つ柊を怪訝な顔で見る。

すると、柊は笑顔で頷いてくれて、あたしも少しだけ笑っていたんだ。





四人目のお父さんは、今までのお父さんよりもマシなのかもしれない。



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