fantasista 2
その目から視線が離せない。
そして嬉しくて、顔がにやけてしまう。
柊はあたしの気持ちをすごく考えてくれているんだ。
チャラチャラしていた柊にショックを受けていた日々を知っているから、過剰なまでにあたしを安心させようとしてくれるんだ。
やっぱり柊が好き、大好きだ。
「外野がうるせぇから、お前とアップでもするか」
「は……はぁ?」
戸惑うあたしに向かって、そっとボールを蹴る柊。
真っ赤な顔でボールを蹴り返すと、ボールはびよーんとあらぬ方向に飛んでいった。
やっぱりあたしは下手だ。
そして、それを柊に見られるのが恥ずかしい。