fantasista 2





「お前にはトーキックは難しいんじゃね?

ここで蹴ってみろよ」




そう言って、あたしの足の甲に触れる。

靴の上から触れられたのに、身体がどくどくと熱くなる。

そして、ボールを持つ柊から目が離せない。

柊はさりげなく色々教えてくれていて、その教え方がまた優しくて、胸のときめきが止まらない。

柊がかっこよくて愛しくて、二人だけになってしまいたいとさえ思った。





「怪我すんじゃねぇよ。

怪我すると、俺が悲しむからな」




その不器用な優しさがまた、あたしの胸を騒がしくする。


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