365日、いつまでもふたりで
「そんな遠くでもないから」



そう言いながら、国道を走っていく。



「今日はなんかの日?」


「恋人たちの日」


「わー。竜くんに似合わない言葉」


「おいっ」



こんなふうに言えるようになるなんて思ってなかった。



「ポッキーの日としか知らなかった」


「茜、ポッキーの好きだもんな?」



フッと優しい目で笑う。



「うん!好き!」



あたしは普段からポッキーが大好きで、会社の机にも常備している。



「ほら」



ダッシュボードを開けて、ポッキーを取り出す。



「え?買っておいてくれたの?」


「うん」


「竜くん、全然食べないのに」



自分は食べないものを、あたしのために買っておいてくれるのがすごく嬉しかった。



「茜がすきな物だからさ。置いておきたいじゃん」


「ふふ。ありがとう」



買う時にあたしを想像してくれたんだろうなとか、そんなことがやっぱり嬉しい。

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